トレスと盗作がごっちゃになってるSNS
トレス、トレパクで絵師が炎上 ここ数年定期的に目にしますが
トレスは作画の工程でしかなくて、デザインの盗用が本来問題なんですよね
誰が広めたのかわかりませんが何故かトレス自体を悪とされる謎の日本のSNS
かなり異常な状態
■トレースが用いられる作画
・スーパーリアル鉛筆画、色鉛筆画
よくSNSでみる芸能人等の写真のようなイラスト
トレースで目安を描く(キャンバスを汚さない、正確に色を乗せていくため)
トレースダウンという技法で紙にあたりを描いてから描きはじめます
CGでやられる方も最近は多いと思います
・水彩画
ラフスケッチや写真などを画用紙にトレースダウン
あたりを描いてから色を乗せて描いて行きます
絵の具の特性から修正不可能、鉛筆や消しゴムで紙の目を潰してはいけない為
トレースはより効果的です
・テレビのテロップイラスト(CG)
肖像権のある人物写真、映像の代わりに似顔絵イラストを使うシーン
元の写真をそのままなぞってクローンイラストを製作します
即興で製作する商用イラスト、一枚10分程度
■駄目なのはデザインの盗用、盗作
トレースは工程の一部でしかないのはざっと説明しましたが
ここに盗用、盗作が乗っかってくると話が変わってきます
一番解りやすいのは2次創作でありながらオリジナル作とすること
元の写真の構図やレイアウトを自身が考えたものとし発表販売
駄目ですこれNG
え?ネットでそのまま模写したアニメゲームキャライラストとか見るよ!?
と思われるかと思いますが、習作、練習絵ならば数百年長い絵画の歴史で当たり前のように行われてきたこと、技術向上には必要不可欠。
でもこれをオリジナルです!と主張していたらもちろん盗作、偽物とされます
■別のもので例えてみると
ちょっと強引ではありますがガンプラで例えてみます
①1/144 ガンダムを寸分違わずフルスクラッチで作った
②ガンダムのデザインそのままだが不恰好なオリジナルロボットを作った(なんか形が違う)
①は作品を作るための工程でしかなく②はアイデアそのものを2次利用、パチモン、盗用
②は同人2次創作もちょっとかぶってきますが、オリジナルとは主張しませんよね
で、今のSNSの現状は ①も攻撃対象 である、youtuberも煽りに荷担し作家を潰す傾向
■なぜ意識の違いが生まれたのか?
SNSと人気の絵師に若い子が増えたことが大きいと感じます
自己流の方で絵画の歴史や教えを学んでいない場合
拡散力の強い多くのフォロワー数を持つとその人の発言がSNSを通じて若い子に真実、基準として認知される
今の時代CGイラスト製作の方が極めて多いため、そもそもトレースの意味がわかって無いというか学ぶ機会がないんですよね、ただの手抜きか何かと思われてしまう現状。